- 投稿日
- 2019年3月2日
- 更新日
ドライドッグフードを砕く道具や機械と方法6選・ふやかすのと粉砕はどっちがいい?
ドライドッグフードを細かく砕いたり、ふやかしたりすることで、犬がドライドッグフードを食べやすくなることがあります。
例えば、ドライフードの粒が大きすぎて食べにくそうにしているとき、いきおいよく食べて丸呑みしているとき、老犬になってうまく食べられないときなど、砕いりたりふやかしたりすると、ぐっと食べやすくなるでしょう。
そこで今回はドッグフードを砕く道具や方法、さらにふやかすのと粉砕するのはどちらが犬にとっていいのか?などをくわしく解説します。
もくじ
砕く道具・機械と砕く方法
砕く道具や機械は色々とありますが、Amazonや楽天など全国どこでも購入できるもので、さらにやや硬いドライフードでも砕くことができて、さらにお手頃な価格のものだけをピックアップしてご紹介します。
プレカットチョッパー(ナッツチョッパー)
今回試した道具の中では、これが最も便利でした!これから他の道具もご紹介しますが、これが最もオススメです。
プレカットチョッパーとは、食材をみじん切りにしたり細かく砕く事ができる道具です。
本来は、ナッツ・パセリ・ニンニク・しょうがなどの食材を細かくみじん切りにしたり、粉砕したりする道具です。
使い方は、箱に書いてあるとおりで、細かく砕きたい食材を受け皿にいれて、上下に押すだけ。
分解するとこんな仕組みになっています。
透明な筒の中で刃が出て食材を粉砕する仕組みです。
まずは、ドライフード50gを入れてみました。
1分ほど上下に動かして粉砕作業をするだけで、ほぼ全ての粒が半分ほどの大きさになっていました。
さらに、5分ほどすると、ほぼ全ての粒が粉々になっていました!
これから他の道具もご紹介しますが、短時間で簡単に粉砕するにはこのプレカットチョッパーが一番です。
また、全ての部品を分解してそのまま水洗いできますから衛生的ですね。
ドッグフード クラッシャー
先ほどご紹介した「プレカットチョッパー」と仕組みはほぼ同じですね。筒の中で刃が出てフードを粉砕する仕組みです。
先ほどの「プレカットチョッパー」の方がやや値段が安いですが、どちらも同じ機能です。
フードチョッパー
プレカットチョッパーやフードクラッシャーと機能はほぼ同じなのですが、このように刃を中で回すタイプのフードチョッパーもあります。
中に食材をいれてひもを引っ張って回します。
ただ、こちらは上から体重を掛けて潰すことはできないので、硬いフードだと粉砕できないと考え、試していません。
Amazonなどのレビューをみても、ジャガイモなどの硬い野菜だと細かくするのは難しいようです。
同じく、硬いドライフードだと細かく粉砕するのは厳しいのではないでしょうか?
ドッグフードを砕く道具を百均で探してみた
ドライフードクラッシャーやチョッパーはとても便利ですが、それ以外に粉砕するのに使えそうな道具や機械はないか?近所の100円ショップでも念のために探してみました。
すると、すり鉢・すりこぎ棒、ハサミ、包丁などがありました。しかし、近所の100均ショップではフードクラッシャーやチョッパーはありませんでした(汗)
すり鉢・すりこぎ棒
フードの粒がすり鉢から頻繁にこぼれるので、あまりオススメできないよ!
まずは、こちらのミニすり鉢とすりこぎ棒を見つけました!
ミニすり鉢にはミニすりこぎ棒が付いてましたが、これでは硬いフードを砕けないかな?と思ったので、ちょうど隣にあった17cmのすりこぎ棒も一緒に購入しました。
これで、実際に砕いてみます。
100均で売っていたのはミニすり鉢だったので、フードの粒がすり鉢から頻繁にこぼれました(汗)もっと大きいものを買えば良かったです。
それでも何とか頑張って10分ほどすりつぶしました。まだ少し大きい粒が残っていますが、細かく砕けました。
通常サイズの大きいすり鉢でやれば、頻繁にこぼれなかったかもしれません。やはり、プレカットチョッパーの方が粒がこぼれないですし、簡単で便利です。
ハサミ
指を切りそうで危ないし、凄く疲れるのでオススメできないよ!
次に、ドライフードの粒を指ではさみながらカットしてみます。
こちらがハサミを使ってカットしたドライドッグフードです。はさみだと指を切る恐れもあり、これ以上小さくするのは難しいかもしれません。
何よりも、小さい粒をひとつひとつ持ちながらカットする作業はすごく疲れました(汗)
やはり、チョッパーの方が便利でした。
ビニール袋(ジップロック)に入れて叩いて砕く
音が響くし、硬いフードだとなかなか粉砕できないからオススメできないよ!
次に、ジップロックなどチャック付きのビニール袋に入れて上から叩いてみました。
まずはドライフードをビニール袋に入れます。下には騒音防止のためにタオルを敷いています。
すりこぎ棒で袋の上から叩いて砕いてみました。タオルを敷いてましたが、思った以上に音が大きく、ビニール袋には穴が開いてしまいました。
マンションやアパートに住んでいる方は下の階に騒音が響くかもしれません。それに、大きな音が苦手な犬のそばではやらないほうがよさそうです。
15分ほど頑張って叩くと、このように砕くことができましたが、一部うまく砕けない部分もありました。かなり強く、しかもまんべんなく叩く必要がありそうです。
やはり、この方法もあまりオススメできません(汗)
ドライフードを砕くのとふやかすのはどちらが良いの?
ドライフードを砕くのとふやかすのでは、実際どちらがいいのでしょうか?砕く、ふやかすそれぞれのメリット・デメリットをみてみましょう。
ドライフードを砕くメリットとデメリット
メリット
・小さくなることで、口が小さな小型犬でも食べやすい。
・ふやかしやすい(粒の中まで水分が浸透しやすい)
デメリット
・毎回、細かく砕くのは手間がかかる
ドライフードをふやかすメリットとデメリット
メリット
・小型犬だけでなく、消化能力が未発達な子犬や食欲の落ちた犬、病後の犬でも食べやすい。
・水分も一緒に取れる
デメリット
・ふやけるのを待つ必要がある
・食べ残しは腐りやすいので、置いておけない
・歯に汚れがたまりやすい(参考:小動物歯科診療の歴史ならびに現状と展望 猫の歯肉口内炎の発生要因 歯周病から見たフードについて)
砕いてもふやかしても、消化吸収・栄養に差はない
砕くのもふやかすのも多少の手間はかかりますが、消化吸収や栄養に差はありません。(参考:食事の与え方 https://www.nisshin-pet.co.jp/study/kurashi/dog/shokuji0214.html)
愛犬の好みや歯の状態に合わせて調整することがおすすめです。
例えば、口の小さな小型犬には砕いたドライフードを与え、子犬の離乳食や老犬にはやわらかくふやかしたドライフードを与えるといいでしょう。
歯の汚れが気になる成犬には、なるべくドライフードを与えるようにします。しかし、ドライ・ふやかしどちらにしても歯磨きは大切です。
【注意!】
ドッグフードをふやかすのに、熱湯を使うことはやめましょう。フードのたんぱく質が高温によって変性したり、ビタミンが破壊されたりするおそれがあります。
40度程度のお湯を使うことをオススメします。(参考:熱湯を使うと栄養成分に影響がありますか? https://www.royalcanin.co.jp/new/faq/?p=567)
ドッグフードのふやかし方については、こちらの記事「ドッグフードのふやかし方(子犬・成犬・老犬別に解説)」を参考にしてくださいね。
ドライフードを砕いてからふやかすと早くふやけます
蛇足になりますが、ドライフードを砕いてからふやかすと早くふやけますよ。
同じドッグフードを砕いたものと比較してみました。下の写真は、どちらも同じドライフードを50g用意しました。
左は何もしてないもの、右が砕いたフードになります。
40℃のお湯を60ml注ぎました。
5分後です。右の砕いたドライフードはすでにかなりしっとりしていますが、何もしていなドライフードはあまり水分がしみとおっていません。
10分後です。右の砕いたドライフードには水分がかなり浸透しています。何もしていないドライフードもようやく水分が浸透してきました。
20分後です。右の砕いたドライフードにはすっかり水分が浸透しました。何もしていないドライフードにもほぼ水分が浸透しましたが、まだ浸透しきっていない水分が底のほうに少しみえています。
砕いたほうが、早く水分が浸透してふやけることがわかります。電子レンジで少し温めると、もっと早く浸透します。
さらに、ここからつぶすとペースト状にもしやすいですね。
こんな場合は粉砕とふやかすのはどっちがいいの?
粒が大きくて噛むのに疲れてしまっている
チワワやポメラニアン、ヨークシャーテリアなどの超小型犬や小型犬は、口が小さいため、大粒のドライフードを噛むのが大変なこともあります。
小さな粒のドライフードに変えても、そのフードが好みでなく食べないと困ってしまいますよね。
そういった場合は、ドライフードを砕くか、ふやかして食べやすく調整してあげましょう。
小さな粒だから消化が早く、すぐお腹がすいてしまうのでは?と心配するかもしれませんが、粒の大きさによる消化吸収の差はありません。(参考:CAP 2017年10月号 p101- 「常識を疑え!ドッグフードにまつわる常識を再検証!」
超小型犬・小型犬には食べやすい小さな粒にして、ドライフードを与えましょう。歯の状態がよくないときは、ふやかしてあげると食べやすくなります。
噛まずに早食いして丸呑みしている
犬によっては食欲旺盛すぎて早食いしてしまう子がいます。そういう子はドライドッグフードを噛まないで丸呑みしています。
そのため飼い主さんは、喉に詰まるのでは?お腹を壊すのでは?と心配になる方もいます。
しかし、犬は基本は早食いで、丸呑みしがちな動物です。吐き出したものを食べることさえあります。獲物を捕らえたら急いで食べないとほかの犬にとられしまう、という習性が残ったままです。
また、犬の歯の構造上、草食動物のように食べたものをすり潰すようにはなっていません。
犬の歯は、門歯、犬歯、前臼歯、後臼歯を合わせて42本あります。(乳歯の場合28本)
食べ物をすり潰したり、しっかり噛み砕く為に使う歯は臼歯ですが、草食動物に比べて発達していません。
犬の歯は肉を食べる事を前提にして出来ています。草食動物のように、食べ物をすりつぶすための臼歯のような機能がほとんどなく、歯はハサミ状に重なりあって、肉や骨を鋭く切り裂き、砕くようになっています。そしてほとんどが丸呑みです。
ですから、犬が噛まないで丸呑みしていても体調に問題はありません。ちなみに、猫も肉食なので犬と同じように食べ物は丸呑みです。
とはいえ、食事を丸呑みするのは喉に詰まるなどの心配があります。また、胃捻転、胃拡張の心配がある犬はがつがつ食べるのはよくありません。
そんな場合はふやかすことで、なめるように食べるようになるので早食いを防止することもできます。
また、グレートデーンのような超大型犬の胃捻転予防にも、大きな粒のフードや肉片などをそのまま与えるより、小粒のフードを与えるほうがよいとされています。(参考:vet record 143(2) 1998 Small size of food particles and age as risk factors for gastric dilatation volvulus in great danes)
早食いの予防方法などは「犬がドライフードを噛まない!すぐ飲み込む理由と対策」で説明していますので、ぜひご覧下さいね。
老犬や子犬、短頭種、大型犬の早食いは危険な場合があるよ!対策してあげてね
老犬になって硬いドライフードを食べなくなってきた
老犬になると食が進まないことがあります。ドライフードを食べない、残すというときには病気や運動不足で食欲がないのか?または歯周病で歯がが痛むのか?食べる姿勢がつらいのか?など原因を探る必要があります。
まずはかかりつけの動物病院を受診し、歯周病や内臓、脳などに病気がないか確認してもらいましょう。適切な指導と治療を受けながら食欲をアップする方法を試します。
自分で立って食べられる子には、フードボウルの位置を高くしてあげます。年を取ると、足腰が弱り下を向いて食べるのが辛くなります。フードボウルは台の上に置いて、下を向かずに食べられるようにしてあげます。
さらに、お湯でふやかしてあげると、脱水をふせぐこともできます。ほんのり温かくすると、香りがたって食欲がわくことも期待できます。
ふやかすときはプレカットチョッパーなどで砕いてからにすると早くふやかすことができます。犬の状況によっては、シリンジなどに入れて食べさせてあげます。
食事の用意に手間がかかって大変なときは、ウェットフードに変更していくことも考えましょう。
子犬のドッグフードを砕いて与えても大丈夫?
子犬に対して細かく砕いたドライフードを与えても問題ありません。しかし、ふやかしたフードをオススメします。
理由は、水分も一緒に摂れるからです。特に生後3ヶ月未満の子犬にはふやかしたフードがオススメです。
また生後6ヶ月未満の子犬は消化管が未発達なので、一度に多くの食物を消化吸収できません。1日3~4回程度に分けて与えて下さい。
もし、子犬の早食いで悩んでいる場合は、こちらの記事「子犬の食欲がありすぎて心配!ドッグフードを噛まないで早食いでも大丈夫?」をご覧下さい。
(まとめ)ドライフードを砕く道具・機械とその方法
・砕く道具はプレカットチョッパーやドッグフードクラッシャーがおすすめ!
・フードを砕いたり、ふかしても消化吸収や栄養に違いはない
・歯周病などで歯が痛む犬にはふやかした方が良い
砕く方法は、やりやすく安全な方法を選んでやってみてください。やはりプレカットチョッパーやドッグフードクラッシャーを使用するのが早くて簡単です。
また、砕くと空気に触れる面積も多くなります。劣化や酸化が早くなるので、早めに食べきるように量を調整しましょう。
また、ふやかしたドライドッグフードも放置すると傷みやすいので、食べ残しはすぐに処分するようにしてください。
ふやかしたドライドッグフード、小粒になったドライドッグフードは消化が早いように思えますが、最近の実験では必ずしもそうではないことがわかっています。ドライドッグフードの消化には、脂肪の量など栄養素が大きくかかわります。(参考:CAP 2017年10月号 p101- 「常識を疑え!ドッグフードにまつわる常識を再検証!」
歯周病で歯が痛い・歯が抜けている犬にはふやかして与えた方が、噛む負担がないのでオススメです。
もし、お腹の調子が悪い場合は、まず動物病院で診察を受け、適切なドッグフードの指示を受けることをおすすめします。
上手に噛めない小型犬や、早食いの子、子犬や病気が原因ではない老犬には様子を見ながら、砕いたりふやかしたりして食べやすくしてあげましょう。
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