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【調査結果】愛犬への生肉・生骨の与え方と注意点。生肉の15%にサルモネラ菌、80%から大腸菌を検出。加熱すると酵素とビタミンが破壊される?

チワワが生肉食べる
生肉は栄養が豊富で犬の本来の活力を引き出すという考え方があります。生肉・生骨を食べてるとアレルギーが改善した、涙やけが治ったなどという話も聞きます。

野生の肉食動物は生肉・生骨を食べる事で、ビタミンや酵素をそのまま効率よく摂取できるので健康だという話があります。

「それじゃあ、一度試しに生肉を与えてみようか」と思って、近所のスーパーなどで生肉を探しても、やはり食中毒などが心配です。そこで今回は、犬に生肉を与えることについてのメリット、デメリットを考えてみます。

結論をまず先に知りたい人は、下の「もくじ」の「まとめ」をクリックしてくださいね。

イヌイットの人たちは生肉だけを食べてビタミンや酵素を摂取したという話は本当なの?

イヌイット・エスキモー
犬に生肉を与える事について解説するサイトでよく引き合いにだされるのが、この「イヌイットの人たちは生肉しか食べなかった」という話です。

「生肉を主食とする伝統的な生活をしていたイヌイットの人々は、野菜や果物を一切食べていなかった。しかし、生肉から酵素やビタミンを摂取していたので、健康で生活習慣病の人が少なかった。」‥という話がまことしやかに噂されています。

この話の元ネタですが、デンマークの研究者による発表だと思われます。

(毎日新聞より抜粋)
イヌイット
1950年から74年までのデンマーク領グリーンランドのウパナビック病院の記録をまとめて、デンマーク・オーデンセ大学(現南デンマーク大学)臨床遺伝学研究所の研究者クロマンらが80年に報告した、グリーンランドの伝統的なイヌイットとデンマークの白人を比較検討しました。

この調査では、デンマークの白人とグリーンランドの伝統的なイヌイットでは、がんの種類は異なるが、合計の発症率は変わらないという報告になっています。

同じくデンマークの研究者のダイアベルグらが、63年から67年に、グリーンランドのイヌイット、デンマーク本土在住のイヌイット、デンマークの白人の3者の死亡率などを比較検討して71年に報告しました。

その結果、グリーンランドの伝統的なイヌイットでは、デンマークの白人に比べて心筋梗塞が極めて少ないことがわかりました。一方、デンマーク在住のイヌイットは、心筋梗塞が多いなど、デンマークの白人と同様の病気のパターンでした。

ダイアベルグらは、グリーンランドの伝統的なイヌイットの血液中には、デンマーク本土で生活する人に比べてはるかに多くのEPAが含まれていて、それがイヌイットに心筋梗塞や脳梗塞が少ない理由であるとの結論を出しました。

イヌイットが主食とした極寒地にすむ動物や魚(アザラシ、トド、北極イワナ、シロイルカなど)の脂肪には、EPAがたくさん含まれています。
アザラシ
(出典:イヌイットに心筋梗塞が少なかったのはなぜ?

まず最初の調査では、「デンマークの白人とグリーンランドの伝統的なイヌイットでは、がんの種類は異なるが、合計の発症率は変わらない」と結論づけています。

次の調査では、「イヌイットに心筋梗塞や脳梗塞が少ない理由はEPAを多く含む生肉を食べているからだ」と結論づけています。

「生肉にはビタミンや酵素が豊富に含まれるから、生肉を主食にしたイヌイットの人たちは健康なんだ」という話と、少しニュアンスが違いますよね?

本当に生肉にはビタミンや酵素が豊富に含まれているのでしょうか?

「生肉は消化酵素を多く含むから消化効率が良い」は本当なの?

酵素栄養学・トンデモ理論
「生肉は多くの消化酵素を含むので消化効率が良い。しかし、酵素は熱に弱い。ドライフードは製造過程に加熱して消化酵素を破壊するので、ドライフードで酵素を摂取する事はできない。だから消化効率が悪い」

こんな解説をしているサイトもみかけますが、本当なのでしょうか?

この「消化酵素」については、エドワード・ハウエルが提唱した「酵素栄養学」が元ネタです。しかし、科学的な根拠が薄く「トンデモ理論」として有名です(汗)

(毎日新聞より抜粋)
酵素不足で不調
酵素が不足するという考えは、アメリカの医師、エドワード・ハウエルが提唱した「酵素栄養学」によるものです。

しかし、「潜在酵素」という物質そのものが発見されたこともありませんし、食べたものに含まれている酵素がそのまま体の別の場所で使われるということ自体が通常ありえません。

酵素を食べても特別な栄養素として働くことはなく、胃や小腸で分解されて消化吸収されます。酵素の形のまま全身で働くということはないのです。

生の食材よりも加熱調理された食品の方が一般的に消化吸収が良いことが分かっています。加熱により繊維質が崩れたりほぐれたりしやすくなり、口の中で細かくかみ砕くことができます。

食べものに含まれている消化酵素の作用より、熱による消化しやすさのほうが断然重要なのです。

(出典:酵素不足で不調ってホント?

「酵素栄養学」で言われる「潜在酵素」がそもそも発見されておらず、加熱した方が消化効率が良い事もわかっています。

アメリカではFDA(アメリカ食品医薬品局)が、消化酵素のサプリメントの販売者に対し、科学的根拠がないとして警告をしています。(参考:Wikipedia酵素栄養学
警告
今のところ、生肉に含まれる酵素が肉の消化を助けるという学術的根拠はありません。

「生肉を加熱するとビタミンが破壊される」は本当なの?

生肉
実験結果
それでは次に、生肉と加熱した肉の栄養素の違いを確認してみましょう。

熊本県畜産協会が発表した「調理による栄養成分変化」の実験結果から抜粋した、牛肉かたロース100g換算でのカロリー、タンパク質、脂質、コレステロールの変化を示しました。
(出典:調理による栄養成分変化・脂質と成分の変化
水で茹でた場合はカロリーや脂質の減少がみられます。茹でた肉の方が、生肉と比べて高タンパク低カロリーになっています。それ以外の項目では加熱した方が減少はしていますが、生肉と大きな違いはないようです。

それでは、ビタミンの変化はどうでしょうか?同様に牛肉かたロース100g換算でのビタミンなどの変化を示しました。
加熱後のビタミン(出典:部位別・調理法別のビタミン含量
こちらについても、加熱した方が減少していますが、生肉と大きな変化はないようです。

上記は牛肉の結果ですが、豚肉でも同様の傾向がみられます。従って、この実験からは生肉と加熱した肉と比べると、加熱した方がビタミンやタンパク質がやや減少しますが、生肉と比べて栄養素で大きな違いはありません。

ただし、加熱すると発がん性物質が微量ですが発生します

近年、食品を加熱することで発生する有害物質(HEATOX)が注目されています。これは食品中に含まれる糖類やアミノ酸の一部が加熱により有害成分に変化したものです。

現在、多種類の有害成分が検出されていますが代表的な物質を以下にあげました。

ヘテロサイクリックアミン類
焼き魚
焼き魚の焦げの中から発見された物質で、タンパク質やアミノ酸が150℃以上に加熱された時に生成します。

ヘテロサイクリックアミン類は20種類以上が確認され、多くが「発がん性がある」、あるいは「おそらく発がん性がある」とされています。しかし実際の食品中においては、極微量(0.1~数ppm)であることがわかっています。

アクリルアミド
ポテトチップス
アスパラギン酸と糖類を含む食品が加熱された時に起こるメイラード反応によって生成され、発がん性があります。有名なのはポテトチップスで、数ppmと比較的高い濃度です。

高温で茶色くなるメイラード反応が起こらなければ発生しませんので、最近では低温でポテトチップスを揚げるなど、アクリルアミド低減化措置が取られています。

フラン
ビーフステーキ
メイラード反応、脂質の酸化、アスコルビン酸の分解などによって生成すると言われ、人に対して発がん性の可能性があるとされています。

これらの成分は食品中に極微量しか含まれないので、健康に大きな被害を与えることは少ないとされていますが、焦げた部分のみを食べさせることは避けるべきであると考えます。

(参考:日本食品分析センター 食品加工中に生成する有害化学物質

犬用非加熱フード(ローフード)の15%からサルモネラ菌、80%から大腸菌が検出された

危険
先ほどは加熱した肉のリスク(発がん性物質の発生)について解説しましたので、次は生肉のリスクについて解説します。

国内外の研究機関の調査によると、犬用の非加熱フード(ローフード)で危険な食中毒菌が多数確認されています。

まず日本では、こちらの発表によると、15%からサルモネラ菌が検出されました。

サルモネラ菌が検出
倉敷芸術科学大学の動物公衆衛生学研究室の発表によると、犬用ローフード計46検体中7検体からサルモネラ属菌が検出されました。

原材料別では鹿で1検体、カンガルーで1検体、鶏で3検体、混合ミンチで2検体検出された。また、7検体中4検体がミンチ状に加工されたものでした。

また、ローフードの取り扱い方について表記が一定になっておらず、「ローフードを触る前後で手を洗う」等の対策について注意を促す表記が全くなされていない商品もありました。

(出典:日本における犬用非加熱フード(ローフード)からのサルモネラ属菌検出状況調査

食中毒
ここにあるように、ミンチ状になっている生肉から食中毒菌の検出率が高くなっています。

その原因としては、肉の加工が増えることで細菌病原体に汚染される可能性が増えること。

さらに、不十分な温度管理や加工機械の不完全な殺菌のために、細菌が既存している可能性があります。

また、「ローフード(生肉)を触る前後で手を洗う」という基本的な注意を促す表記がない商品もあったとも指摘しています。

次に、海外での発表では、80%から大腸菌が検出されました。

オランダ・ユトレヒト大学
オランダのユトレヒト大学の発表によると、販売されているペット用生肉・合計35商品について細菌や寄生虫がどのくらい含まれるのか検査したところ、以下のような結果になりました。
細菌の検出

大腸菌・ESBL産生菌‥80%
リステリア・モノサイトゲネス‥54%
リステリア・その他‥43%
大腸菌・O157‥23%
寄生虫(肉胞子虫)‥22%
サルモネラ菌‥20%
トキソプラズマ‥6%

(出典:Zoonotic bacteria and parasites found in raw meat-based diets for cats and dogs

研究チームは市販の生肉食には人獣共通感染症や寄生虫によるリスクがあり、その危険性を飼い主に知らせることが重要だという結論に達しました。

犬は食中毒菌に感染するの?

人獣共通感染症
そもそも、犬は食中毒菌やウィルスなどの有害生物に感染し症状が出るのでしょうか?その前に、まずは人間の場合の食中毒菌について解説します。

生肉に関連した食中毒菌など(人間の場合)
食中毒
こちらは生肉に関連した食中毒菌などの代表的な例です。これらは少量でも重篤な症状を引き起こすことがあります。
生肉の食中毒菌一覧(参考:東京都健康安全研究センター

まず、サルモネラは主に鶏または鶏卵が問題になります。農林水産省の平成27年の調査では、農場のサルモネラ保有率は21%(70/338)、鶏群のサルモネラ保有率は20%(78/400)でした。それなりに高い確率で保菌しています。(参考:農林水産省・採卵鶏農場のサルモネラ保有状況調査
鶏
次に、腸管出血性大腸菌はO157による集団食中毒や死亡例が有名です。国内で大規模なO157による食中毒事件のあった1996年ごろは保菌している牛は1.6%程度であったものが、近年(2007-2008)年の調査では牛飼育農場の保菌率は27.9%とおよそ全体の3分の一の農場にO157があるという結果が知られています。(参考:牛がO157を保菌しています
黒毛和牛
これらの結果から、牛が高確率で腸管出血性大腸菌を保菌しているのは明らかです。

カンピロバクターは鶏が高く保菌していますが、牛においても20-30%カンピロバクターを保菌しています。

また、牛のレバーでも腸管出血性大腸菌同様、10%程度をカンピロバクターを保菌しています。さらに30%前後の胆汁からもカンピロバクターが検出されており、牛レバーの生食は非常に危険であり、現在人用にレバーの生食は許可されていません。(参考:牛のレバーからカンピロバクターも検出されます
レバー
生肉を主な感染源とするウィルスには、A型、B型、E型肝炎ウィルスなど様々なものがあります。

特に、豚レバーをはじめとする豚の肉や内臓を生で食べると、E型肝炎ウイルスに感染するリスクがあります。E型肝炎は、鹿肉やイノシシなど野生動物にも広く感染が確認されているので、注意が必要です。E型肝炎は劇症化することもあります。

さらに、豚からの有鉤条虫、旋毛虫等の寄生虫への感染が報告されています(参考:豚のお肉や内臓を生食するのは、やめましょう

それでは次に、これらの食中毒菌が犬に感染して重篤な症状を引き起こすのか?みていきます。

腸管出血性大腸菌(O157)
O157(出典:腸管出血性大腸菌 O157:H7の電子顕微鏡写真 https://www.niid.go.jp/niid/ja/ehec-m/2055-bac1/related/710-ehec-o157sem.html)

2009年の研究では、健康な犬(ビーグル)にO157を投与しても、下痢などの症状を示さないことが明らかになりました。しかし一方で、抗生物質を使用して腸内細菌の構成を変更した犬では、軽度の下痢が見られました。

この結果から、健康な犬では腸管出血性大腸菌の感染はない場合でも、抗生物質などを投与して腸内細菌の環境が変わっていたり、子犬や老犬、病気の犬など、免疫が弱っているような犬では感染することが十分ありうると考えられます(出典:Bovine Colostral Antibody Against Verotoxin 2 Derived from Escherichia coli O157:H7: Resistance to Proteases and Effects in Beagle Dogs T.Kuribayashi, T.Seita, M. Matsumoto, K. Furuhata, K.Tagata, S.Yamamoto1, Comp Med. 2009 Apr; 59(2): 163–167.)

カンピロバクター
カンピロバクター(出典:東京都健康安全研究センター

カンピロバクターは低酸素(3~15%)中で増殖する細菌で、汚染された食品や感染している動物との接触で感染します。

牛、豚、鶏、犬、猫などにも保菌が確認されています。通常は無症状であることがほとんどですが、子犬や子猫などでは下痢などを引き起こすことがあることがわかっています。(参考:カンピロバクター症

サルモネラ
サルモネラ(出典:国立感染症研究所

犬もサルモネラに感染しますが、一般的に嘔吐、下痢、食欲不振など、他の胃腸障害と区別ができないため、サルモネラと同定されることが少ないようです。

この菌は自然界のあらゆるところに生息し、国内では、ミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)での報告が多く、国内で飼育されているカメ類でのサルモネラ保菌率は18%と報告があります。その他、トカゲ類で75%、ヘビ類で90%であると報告があります。(参考:サルモネラ感染症 http://koyama-ah.com/archives/515)

E型肝炎ウイルス
E型肝炎ウィルス(出典:国立感染症研究所

日本を含め海外の研究において「犬から抗E型肝炎ウイルス抗体が検出された」ことが報告されています。(参考:犬、猫に生の鹿・猪肉を与えてよいか

「抗体が検出される」ことは、犬の体内でE型肝炎ウイルスによる感染が成立し、抗体が産生されたことを示します。実験的に抗体が検出された個体では、感染しても肝炎の症状は見られなかったため、今の所は犬においてE型肝炎ウイルスの「臨床症状なし」とされています。

つまり、感染はするが肝炎の症状が見られないという意味です。

しかし、これまで何らかの臨床症状があったが、E型肝炎ウィルスによるものとは認識されなかった場合なども考えられ、今後の調査・研究で明らかになるかもしれません。

寄生虫
犬と寄生虫
近年、馬肉を生で食べた人が数時間で、一過性の嘔吐や下痢など、軽い食中毒症状を起こす症例が発生する事件がありました。その原因はウマに寄生したサルコシスティス・フェアリー(Sarcocystis fayeri)でした。
馬の親子
サルコシスティス・フェアリーは、感染した馬肉を食べた犬の消化管内でオーシスト(スポリシストを内包)を形成し、犬は糞便にスポロシストを排出して、飼料や水などを汚染、さらに、その飼料や水などを馬や牛などが食べて感染を繰り返すことがわかりました。

しかし、感染した犬がどのような臨床症状を示すかはわかっていません(参考:サルコシスティス・フェアリー

同じように、有鉤条虫、旋毛虫などの寄生虫についても犬が感染することがありますが、感染した犬がどのような臨床症状を示すのかはわかっていません。

人獣共通感染症
前述の様々な食中毒菌やウイルス、寄生虫などが犬に対してどの程度有害であるのか、実ははっきりしたことはわかりません。

下痢や嘔吐など食中毒症状を示しても、通常は数日で回復しますし、わざわざ感染菌やウイルスなどを検査するとは限らないからです。
嘔吐する犬
しかし、ペットの犬猫の場合は人間と一緒に室内で飼育されている事があるので注意が必要です。口の周りや食器、ベットやトイレ周りに有害菌が付着している、あるいは保菌していても症状が出ないが、排菌している可能性があります。

生肉を食べさせた場合には、それらと接触しないように、特に乳幼児やお年寄り、病中病後などは十分な注意が必要です。犬は感染しても無害で無症状またはすぐに体調が回復しても、人間にとっては有害な場合が多々あるからです。
食中毒

生肉の安全な与え方と注意点

生肉を与えたい場合、犬の安全だけではなく、人獣共通感染症を防ぐための安全な生肉の与え方を考えて見ます。
牛肉
牛肉
牛の腸管及び皮膚(毛を含む)には必ず大腸菌などの有害細菌がいると考えておきましょう。屠殺場では腸管を縛ってこれらの有害細菌に汚染されないように工夫をしていますが、使用する刃物や毛、屠殺場の角などには残っている可能性があります。(参考:と畜場及び食肉処理場の衛生管理等について

レバーは内部まで汚染されている可能性が高いので、必ず内部まで加熱します。
レバー

また、塊肉の内部は汚染させていませんので、側面を低温で焼くかボイルすることで安全に食べさせることができます。具体的には、肉塊の表面から深さ1cm以上の部分までを60℃以上で2分間以上加熱すると安全です。(参考:生食用食肉(牛肉)の規格基準設定に関するQ&A

スライス、あるいはミンチで売られている肉は、どのような部位が使われているか不明ですし、前述した調査結果でもミンチ肉からのサルモネラ菌の検出率が高くなっていますから、生で食べさせない方が無難です。同じく、生骨は衛生上与えない方が無難です。

鶏肉
鶏肉
牛肉同様です。骨つきの塊肉の場合、表面を肉ごと軽くボイルすることで安全に食べられますが、骨を大量に食べると、消化不良を起こしたり便秘になりやすいので注意が必要です。

豚肉
豚肉
豚肉や豚骨は生で食べさせるのはオススメできません。またSPF(Specific Pathogen Free)豚は無菌豚ではありませんので、普通の豚肉同様、加熱処理が不可欠です。(参考:SPF豚肉は生で食べられるのでしょうか? http://www.j-spf.com/Q&A/Q&A.htm)

ジビエ(野生鳥獣の肉)
生鹿肉
鹿、イノシシなど、野生動物には様々な感染症や寄生虫がいる可能性が高いです。生で与えるのはどの部位でも絶対にやめましょう(参考:ジビエ(野生鳥獣の肉)はよく加熱して食べましょう

馬肉
馬肉
馬肉は人間でも生で食べられる肉とされていますが、寄生虫の報告があります。寄生虫は冷凍することにより死滅するので、十分な時間冷凍して(中までしっかり凍ること)から解凍して与えます。(参考:サルコシスティス・フェアリー

生骨
骨
生骨は噛むことで歯石を取る、犬のストレスを軽減するなどのメリットがあります。犬はBSEに関しては問題ないとされています。(参考:イヌ・ネコにおける飼料を介しての海綿状脳症の感染について(参考:全国農業協同組合連動会 BSE・Q&A

しかし、生肉同様、生の骨を与えることはあまり好ましくありません。食べるときに犬の体や周囲を汚染する可能性があるからです。

鳥の骨は少量であれば大丈夫ですが、生でも加熱したものでも、消化不良をおこしやすいと考えられています。また豚、ジビエの骨は前述のウイルスなどの観点から、生で与えることは避けてください。

犬は噛むことを非常に好みますが、あまり硬い骨を与えると、歯が欠けてしまったり、飲み込む癖のある犬ではそのまま飲み込んで食道や胃など消化管に詰まったりします。骨を与える場合は、丸呑みしても食道などにつまらない大きさにカットする事をオススメします。

もしくは、歯石をとったり、噛むための専用の安全なおもちゃやおやつが販売されていますので、そちらを利用しましょう。

実際に、市販の犬用の生肉フードを購入してみました

ここでは、実際に市販の犬用の生肉を購入して、どのようなものなのか確かめてみました。

今回はAmazonで注文したのですが、5日後くらいにクール便で到着しました。到着後は必ず冷凍庫で保管してくださいね。
クール便で到着

次に、ビニール袋を空けてみると2つの肉の塊がはいっています。
生肉

それぞれの肉のラベルにはこのように「解凍したものは冷蔵保存にて2日以内にお召し上がりください」と表示があります。
生肉のラベル

Amazonで注文したのですが、同封されていた商品明細書にもこのように「残りは必ず冷凍保存して下さい」と注意書きがあります。
注意書き

生肉を与える際には、このように保存方法がとても重要です。犬には無害だったとしても、人間には有害な細菌などが繁殖するからです。

さらにビニール袋を開けるとこうやって馬肉がでてきました。これを必要な分量だけとって、冷蔵庫で解凍して与えます。いつもは冷凍庫に保管しておいて、肉を与える前日に必要な分だけ冷蔵庫に入れて、翌日になって自然解凍させてから与える‥という流れです。
馬生肉

しかし、今回は生肉のまま与えるのではなく、これを電子レンジで加熱して与えます。まずは冷凍された肉の塊を割って、レンジで使える耐熱容器にいれます。
電子レンジ

今回は700Wの電子レンジで3分加熱しました。しかし、もう少し時間は短くても良かったかもしれません(汗)やや焦げ気味?な部分があるからです(^^;)
加熱後の生肉

この電子レンジでチンした馬肉を愛犬に与えたら、凄い勢いで食べてました。よほど美味しかったのでしょう(笑)
馬肉

ここで取扱い上の注意点ですが、生肉の「保存方法」や「賞味期限」などについての注意点は同封された明細などで説明されていました。それに加えて、「生肉を触る前と後で石けんで手を洗う」を徹底してくださいね!さらにアルコール消毒もできれば安心です。

それでも、どうしても生肉・生骨を食べさせたい!という場合は‥

缶詰
それでも、どうしても生肉・生骨を食べさせたい!という方は、缶詰フードをオススメします。

缶詰フードは、肉などの素材をそのまま水分の多い状態で缶などに詰めて、密封して加熱殺菌をしたドッグフードです。

だから、ドライタイプのドッグフードに比べて、水分量が多く、また高温で焼くなどの処理をしていないため、素材の栄養素が分解されにくいドッグフードです。

肉食の犬にとって自然な食材が、そのままの形で与えられます。また、珍しい肉(ガチョウや馬など)が主原料の缶詰フードもあるのでアレルギー対策にもなります。

総合栄養食なら、栄養の偏りもありませんから、常食させることも可能です。

例えば、こちらの缶詰フードは良い例です。まず主原料(最も左に記載)はビーフ生肉になっていますね。
原材料表
そして、ビーフ肉汁、ビーフラング生肉、ビーフキドニー生肉、ビーフレバー生肉など、内臓を含む色々な部位の肉が入っているのもわかります。

また、ラベルに表示されているように「グラスフェッドビーフ」とありますから、人工飼料ではなくて、牧草を食べて育った牛肉だとわかります。

さらに、「犬用総合栄養食」とありますので、ビタミン類なども含まれており、常食させても栄養バランスに偏りがでません。

缶詰の表面には、このように「92%生肉・内臓・緑イ貝」「穀類・芋類不使用」という表記もあります。かなり生肉に近いですね。
ラベル

缶を開封するとこんな感じです。
開封
ミンチ肉のようになっていますので、いつも硬いドライフードを食べている子はもしかすると最初は食いつきが悪いかもしれません。

このように、「かなり生肉に近い缶詰フード」も販売されています。缶詰フードなら加熱殺菌されているので生肉と比べてかなり安全です。

どうしても生肉を食べさせたい!という場合は、このような缶詰フードも検討されてはいかがでしょうか?

(まとめ)生肉・生骨の与え方と注意点

それでは、ここまでの話をまとめます。

・グリーンランドの伝統的な生肉食のイヌイットと、デンマークの白人とでは、がんの種類は異なるが、合計の発症率は変わらない
・イヌイットに心筋梗塞や脳梗塞が少ない理由はEPAを多く含む生肉を食べているから。消化酵素は関係無い
・酵素栄養学で言われる「消化酵素」のひとつ「潜在酵素」がそもそも発見されていない
・生肉に含まれる酵素が肉の消化を助けるという科学的的根拠はない
・加熱した方が消化効率が良い事がわかっている
・生肉と加熱した肉と比べた場合、ビタミンやタンパク質などの栄養素は、加熱した肉は少し減少するが、大きく違わない
・ただし、肉を加熱すると微量だが発がん性物質が発生するので、焦げた部分は食べない方が良い
・市販の犬用生肉の15%からサルモネラ菌、80%から大腸菌が検出された
・「生肉を触る前後で手を洗う」という基本的な注意を促す表記がない商品もある
・食中毒菌や寄生虫などが犬にとってどのくらい有害なのか、良く分かっていない
・人間と室内で同居する犬が生肉を食べることで、細菌や卵が室内に不着する危険性が高まる。犬には無害だったとしても、人間には有害
・どうしても生肉を与えたい場合は、缶詰フードがオススメ

‥となります。重要な事なので繰り返しますが、生肉・生骨を与えるのはリスクが高いのでオススメしません。

なお、それでもどうしても生肉を食べさせたい!という場合は、缶詰フードも検討されてはいかがでしょうか?缶詰フードなら栄養素も生肉に近いですし、加熱殺菌されているので生肉と比べてかなり安全です。

※缶詰フードのデメリットやその他の注意点などはこちらの記事もご覧下さい。

初めての缶詰選び。安全・安心な缶詰ウェットフードとは?

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